【11月に購入した】心温まる「マカンマラン」シリーズ1巻〜最新刊の感想をまじえて紹介!!
「まさか、続きが読めるなんて!」
大好きな【マカンマランシリーズ】に待望の最新刊が登場しました!私自身、物語は4巻で完結だと思っていたので、書店で背表紙を見つけた時は、思わず声を上げてしまったほどです。一瞬の出来事とはいえ、周りの方に気づかれて恥ずかしい思いをしましたが、それくらい衝撃的な喜びでした。
最新刊もあっという間に読了しましたが、読後もじんわりと胸の奥が温かくなる、やっぱり心に響く素晴らしい作品でした。
この溢れる感動を、ぜひ皆さんと分かち合いたい!
本記事では、この素敵なシリーズの魅力をお伝えするべく、1巻から最新刊まであらすじや感想を交えながらご紹介していきます。
「マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ」

著者 古内一絵 出版社 中央公論新社
総ページ数 265ページ
あらすじ
元エリートサラリーマンにして、今はド派手な
ドラァグクイーンのシャール。
そんな彼女が夜だけ開店するお店がある。
そこで提供される料理には、優しさが溶け込んでいて。
じんわりほっくりこころがあたたかくなる至極の4作品を召し上がれ。
登場人物
シャール・・・品格のあるドラァグクイーン
城之崎塔子・・・広告代理店勤務の中堅社員
柳田敏・・・中学校 学年主任
三ツ橋璃久・・・柳田の中学校の生徒
安武さくら・・・下請けライター
黒光大介(ジャダ)・・・シャールの妹分
小峰幸也・・・不動産屋
引用 金のお米パンより抜粋。
「シャールの言葉」
「でもね、この世の中に、なにもかもから自由な人なんてどこにもいないわ。誰だって、自分の荷物は自分で背負わなきゃいけないのよ」
{読了後の心のうち}
ある日突然、母親の手作り料理を食べなくなった璃久くんには食べない大事な理由があるんです。
その理由を話そうとしないけれほど、璃久くんの心からの優しさに触れたシャールさんが、静かに諭すように発する一言。
この一言が、私の心に深く刺さりました。
作中、シャールさんが他者に寄り添う姿を読んで、私は自分で自分の人生を背負っているつもりだったんだと感じました。いざ文章として言葉の重みを感じた瞬間、「私は本当に、自分の荷物を真っ直ぐ背負えていただろうか?」と、自問せずにはいられませんでした。
自分の重荷を背負うことの大変さ。そこから逃げたいと願う気持ちや、すべてを放り投げてしまいたい衝動。誰の人生にも、大なり小なり、そうした葛藤があるのではないでしょうか。
誰かと比べて安心する必要はありません。ただ、この物語を読むたびに、私は逃げずに、ちゃんと自分の荷物を背負っていられる人でありたいんだと思っています。
マカン・マランが提供するのは、ただの夜食ではありません。人生という旅路を歩むための、温かな勇気なんじゃないかと思うのです。
「女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたび」

著者 古内一絵 出版社 中央公論新社 総ページ数 268ページ
登場人物
シャール・・・品格のあるドラァグクイーン
西村真奈・・・契約社員
藤守裕紀・・・売れない漫画家
伊吹未央・・・専業主婦
柳田敏・・・中学校学年主任
あらすじ
病に倒れていたドラァグクイーンのシャールがついに復活し、いつものように常連がくつろげるお店に戻った「マカン・マラン」。
やがてお店には導かれたかのように様々な悩みを抱えた人たちがふたたび集まってくる。
彼らに対し、シャールが提供する今回のお料理はー。
引用 秋の夜長のトルコライスより抜粋。
「シャールの言葉」
「じゃあもう、がんばらなくていいんじゃないかしら」
「目一杯がんばったなら、もうそれ以上、がんばる必要なんてないのよ」
{読了後の心のうち}
ある日、再三の注意にも関わらず、リビングをひどく散らかして寝ていた圭に対し、今までの不安ややるせなさが溢れ、ついに堪忍袋の緒が切れた未央は、感情のままに圭を𠮟りつけてしまいます。翌日、圭は一人で家を出て行ってしまい、未央の心労は計り知れません。
夫からも心臓をえぐられるような言葉を突きつけられます。
誰よりも圭のために心を砕いている未央にとって、どれほど苦しかったでしょうか。未央のやるせない気持ち、そして圭の悲しみ、どちらを想像しても胸が締め付けられます。
そんな未央に対して、ネガティブな印象を持つ「サボる」ことも、時には前向きでポジティブな行為なのだと、シャールさんは話してくれました。
真面目な人ほど気づけない「頑張りすぎている自分」を優しく認め、勇気づけてくれるシャールさんの言葉に、思わずスッと涙が溢れてしまいました。
頑張りすぎて疲れてしまったあなたに、この一冊が温かい夜食のように染み渡るはずです。
「きまぐれな夜食カフェ マカン・マランみたび」

著者 古内一絵 出版社 中央公論新社
総ページ数 272ページ
あらすじ
運命を変えるカフェとして、有名になりはじめた「マカン・マラン」。
そこに目を付けたのは、ネット世界で有名なディスりの女王。
とうとう店を探しあてた彼女に、シャールはこれまでにない対応を?
登場人物
シャール・・・品格のあるドラァグクイーン
弓月綾・・・カスタマーセンターのオペレーター
香坂省吾・・・元料理人
中園燿子・・・専業主婦
瀬山比佐子・・・アパートの地主
引用 風と火のスープカレーより抜粋。
「シャールの言葉」
「本心を隠すのは、別に悪いことではないわ」
「だってこの世の中は、本音だけで生きていけるほど、甘くはないじゃない。私だって、本当の思いを心の奥底に隠すことくらい、いくらでもあるわよ。嘘だって、山ほどついてきたわ」
「本心の隠し場所さえ、ちゃんと自分でわかっていれば、それはそれでいいのよ」
{読了後の心のうち}
シリーズ第3巻では、夫婦の終わりに向けた「離婚式」を行うため、そのドレスをシャールさんに注文する女性のエピソードも描かれます。
昼下がりにシャールさんの店を訪れた彼女ですが、その渦中の夫の言動があまりに身勝手で最低なのです。読んでいるこちらも思わず怒りが湧いてくるほど、そのエピソードはやるせない気持ちにさせられます。
また、この物語では店主であるシャールさんと、彼女の大切な友人・燿子さんとの関係性にもスポットが当てられます。
過去の出来事と現在の二人の想いが交錯する描写は、切なくも温かく、深く心を揺さぶります。
傷つき、迷う燿子さんに対して、シャールさんがかける言葉は、人生の痛みを優しく包み込むような、忘れられない一言でした。
私たちはつい「本音で向き合わなければ」とか「心の内をすべてさらけ出すべきだ」と考えがちですよね。
本心を隠すことと、嘘をつくことは、違います。嘘をつくのだって全てが悪いことなんじゃない。心のすべてを共有しなくてもいいし、正直に言わないという選択だってある。それは、自分自身を守るためだったり、あるいは相手を深く想っての優しさだったりするからです。
無理にすべてをオープンにしなくても、自分だけの本心の隠し場所を知っているだけで、人はしっかり前を向くことができるんですね。
「さよならの夜食カフェ マカン・マランおしまい」

著者 古内一絵 出版社 中央公論新社 総ページ数 287ページ
あらすじ
これまでたくさんの悩める人が訪れたカフェのクリスマス。店内では、一人の時間に浸る店主・シャールの姿が。
シナモン香るここあの湯気の中、彼女ー御厨清澄が心の内をひっそりと語り出す。
深夜のカフェを開いた理由と、その未来をー。
登場人物
シャール・・・・・品格あるドラァグクイーン
秋元希実・・・・・女子高生
芦沢庸介・・・・・料亭ASHIZAWAのオーナーシェフ
平川更沙・・・・・専業主婦
引用 さくらんぼティラミスのエールより抜粋
「ジャダの言葉」
「知らなかったじゃねえよ、お前が知ろうともしないでさっさと逃げだしただけだろうが!」
「そうそう。感謝の気持ちって大事よね。親切に慣れっこになるのは、ただの無作法よ」
{読了後の心のうち}
今回はジャダさんの言葉を引用させてもらいました。とても耳が痛い話です。
ジャダさんの叱責もごもっとも。
「知らなかった」のがいけないのではなく、「知ろうともしなかった」のがいけないんだと。誰でも知らない事はたくさんあります。
大事なのは「知ろうとすること」ですよね。
それに、相手に感謝を伝えるのも心がけていても咄嗟に出ないこともあります。後からでも必ず伝えるようにしていますが、「親切に慣れる」っていうのも耳が痛い。
「してもらって当たり前」や「マナーだから」、「相手からの気遣い」にも慣れてしまっているんじゃないかとハッとしました。
してもらったら「ありがとう」、嬉しかったら「ありがとう」「嬉しかったよ」って伝える大切さを改めて自覚させてもらいました。
「女王様の休日 マカン・マランボヤージュ」

著者 古内一絵 出版社 中央公論新社 総ページ数 272ページ
あらすじ
シャール、ジャダ、さくらが訪れたのは、台湾。食、物、歴史、そして人との新たな出会い。さくらの仕事の出張に合わせジャダも一緒に台湾に行くことに、、。するとシャールも長期休暇を取る予定だったらしくスケジュールを合わせて台湾で合流することになったのです。
登場人物
シャール・・・・・品格あるドラァグクイーン
ジャダ・・・・・シャールの妹分
安武さくら・・・・・下請けライター
阿媽・・・・・台湾のゲストハウスのオーナー
阿妹・・・・・阿媽の孫
アンジー・・・・・台湾のドラァグクイーン
西村真奈・・・・・OL
引用 悲しみの街と蜜梅と神隠しより抜粋。
「ジャダの言葉」
「よくよく考えてみるとさ、めんどくさいって、お手軽な割に、破壊力の強い言葉なのよ。それを言われちゃうと、何も言えなくなる人が一定数いるわけじゃない」
口も封じられるのは、大抵少数派だ。
面倒なことに正面から向き合うのは損だ。疲弊し、傷つき、摩耗する。
「・・・・あたしたち、そこそこ頑張って、ここまでやってきたのよね」
{読了後の心のうち}
口癖になっている「めんどくさい」は、無意識に口をついて出るくらい癖になっている私は、シャールさんから冷たい視線を向けられてしまいますね。
面倒なことは本当に全てにおいて一筋縄ではいかないことばかりで、、なんて言い訳でしょうかね。
それでも、今の私の立ち位置から振り返る過去は、めんどうだと言いつつ向き合ってきた自分の選択に溢れています。ジャダさん、私も「そこそこ、頑張って」やってこれました。
口癖はまだ直らないけど、めんどうで片づけるだけの人にはなりたくない。
この物語を読んだことで、その一言の裏にある自分の本心と、次の一歩を踏み出す勇気を大切にしていきたいな、と強く思いました。
